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利益がでているけどお金がない!!

「利益がでているけどお金がない・・・。」
「資金繰りが厳しいのに何故こんなに利益がでているんだ?」、このような質問をしばしば受けます。

「勘定合って銭足らず」、放置していると資金ショートして、最悪の場合、黒字倒産になる恐れもあります。

そもそも利益とは「もうけ」のことで収入から費用を差し引いた残りことをいいます。
もうけがでているともうけた分お金も増えているはずと思われる方も多いと思います。 

ここでいう利益は「会計上の利益」のことで利益がでてもお金になるタイミングにはズレがあります。

今回は利益とお金のズレが生じる主な要因についてお話します。

利益がでているのにお金がない主な理由

利益がでているのに資金が不足している理由として主に下記の4つがあげられます。

  1. 掛け売りがある
  2. 在庫がある
  3. 設備投資をした
  4. 借入金の返済がある

一般的に商品を仕入れてから売れるまでにタイムラグがあります。

まず1.と2.について簡単な例を出して説明します。 

  • 商品仕入 単価10万円×10個(計100万円)
       
  • 在庫  在庫10
       
  • 商品売上 単価12万円×8個(計96万円)
    在庫個 単価10万円×2個(計20万円)
     

上記以外に収入や費用がないとした場合

会計上の利益は・・・
売上 96万円
仕入 100万円-在庫20万円=80万円 

売上96万円-仕入80万円=利益16万円
16万円利益がでていることになります。 
 

利益はでていますが、お金は増えているでしょうか。

仕入時に100万円支払って、売上が96万円ですので、お金は4万円減っています。
利益は16万円でているのにお金が4万円減っているのです。

掛取引の場合、支払・回収のタイミングによって更に利益とお金のズレが大きくなることもあります。
 

ちなみに、このタイミングのズレで必要な資金のことを運転資金といいます。
運転資金は「売上債権+在庫―仕入債務」で計算することができます。

金融機関から運転資金を借入するというときは基本は上記の式でいくら必要なのか計算されます。
 

売上債権は売掛金や受取手形などの得意先との間で生じた営業上の債権です。

反対に仕入債務は買掛金や支払手形などのことをいいます。
 

仕入→在庫→売上で仕入と売上の支払いサイクルと回収サイクルが同じ場合、先に支払いが発生し、入金は後になるため、売掛金や受取手形が多いときは、利益がでていても資金不足になることがあります。

また在庫は売れるまで売上原価として費用計上されませんし、現金化もされません。
過剰な在庫は資金繰りを圧迫する要因になりますので、なるべく避けるようにしましょう。

 

設備投資をした場合

建物や機械装置、車両など高額なものを購入しても、全額すぐ経費にはなりません。
高額なものは資産として計上し、毎期、減価償却をして少しずつ経費に振り替えていきます。
なお
土地の場合は、減価償却ができません。

購入時にお金を支払っても減価償却分しか経費になりませんので、利益以上にお金が減ります
 

話が少しそれますが、節税のため、中古の高級車等を購入する方がいます。
資金が有り余っている場合はともかく節税のために無用な資産を購入して資金繰りが苦しくなるようでは本末転倒です。
節税対策等の理由で無駄に資産を購入することはなるべく控えましょう。

 

 借入金を返済した場合

借入したときお金が増えますが、利益ではなく負債として計上されます。反対に借入を返済しても返済額は費用にはならず負債の減少になります。

借入した金額以上の返済額、つまり利息のみ経費になります。

元本返済分は経費になりませんので、借入金を返済した分、利益と関係なくお金が減ります

資金繰り表の作成を!!

簡単なものでいいので、まずは資金繰り表を作成し管理するようにしましょう。

毎月、どの日にどのような支払いがあり、どのタイミングで入金があるのかを時系列にまとめたものでも構いません。

資金繰り表を作成し、お金の動きを把握することで早め早めに対策を打つことができます。どんぶり勘定は大変、危険です。
 

弊事務所では資金繰り対策として「資金別貸借対照表」を作成しています。

「お金に色はない」と言われますが、あえて色を付けてもうけたお金がどのように使用されたか区分けし、資金不足の要因、改善すべき箇所を分析するのに大変便利なツールが「資金別貸借対照表」です。

ご興味のある方や資金繰り表の作成等でお悩みの方は是非ご相談ください。

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